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フィンランドと日本、未来予測ジョイントプロジェクトで協力

フィンランドと日本、未来予測ジョイントプロジェクトで協力 (2009年2月25日)

Tekesと科学技術政策研究所(NISTEP)は、高齢化社会における健康管理(ヘルス・ケア)問題、人々の日常生活におけるICTおよびメディアの問題、エネルギーや資源の効率化などの社会的な問題を、未来予測の共同研究プロジェクトで評価しました。(日本語)

 TekesとNISTEP(科学技術政策研究所)は、未来予測に関する共同研究に取り組んでまいりました。そして、このほど、初めての共同研究に関する成果がまとまりました。

 Tekesが掲げた目標についてリサーチ・マネージャーのエイヤ・アホラは、次のように述べています。「この共同研究では、フィンランドと日本、両国にとって時宜にかなった社会的な問題に取り組むため、高齢化社会における健康、デジタル化社会における通信、持続可能な社会における省資源と省エネルギーを研究対象として選択しました。これらのテーマについて、イノベーション政策という観点から、よりよい未来に備えるための解決方法をさぐりました。」  また、「研究対象としたテーマで導き出した未来の社会像は、両国とも、とても似通っていました。しかし、それぞれが描き出した社会像は、それぞれの国の社会構造に偏ったもので、自国以外に適用することは容易なことではないようです。」とも述べています。

 このプロジェクトを取り仕切ったガイア・コンサルティング社社長ミッコ・シュルヤネン氏は、エネルギーと資源を効率よく使うためには、一般市民の心構え、公共部門に対する規制と省エネ・省資源への取組みの促進、一般企業の経営形態など社会全体が変わることが求められる、と言っています。  メディアの発展については、社会にとっての重要な目標として、文化的支援や、市民社会の機能性の向上、民主的で良質な情報フローのサポートを掲げています。

  具体的な未来の社会像は、両国の社会構造に大きく依存しています。しかし、フィンランドでは、エネルギーが生産される場所が分散していること、モバイル・インターネットの問題、印刷メディアとデジタルメディアの融合問題が、一方、日本では、水の利用と通信インフラの開発が強調され、両国の重点項目に相違ある、とシュルヤネン氏は指摘しています。

 また、NISTEPの主任研究官伊藤裕子氏は、このプロジェクトの効果について「NISTEPでは、科学技術予測について、既に多くの経験を重ねていますが、今回のような社会的な視点を含めることはありませんでした。このプロジェクトで、社会的な視点も含めることで、各国が異なる方法で取り組み、それを未来予測にうまく取り込むことができました。また、両国の成果の比較は、それぞれの予測の違いをより際立たせることになりました。」とのコメントを寄せました。

日本は、未来の製品づくりに、フィンランドは未来の社会像に重点

「基本的に両国が駆使した手法とプロセスは似通っていましたが、向かった方向は正反対となりました。フィンランド側は、まずヴィジョンと目標を設定すると同時に、経済的制約に対するソリューションを合意することから始めました。一方、日本側は、技術とイノベーション(革新)の可能性を評価することから始め、これを基に、未来に望まれる社会の展望を作り出しました。」とTekesのエイヤ・アホラは両国の持つ視点の相違について述べています。

 「まとめられた成果を見てみると、日本側は、未来の製品づくりに関する具体的なビジョンと、ビジョンを達成するためのやや曖昧で広い視点と政策項目一覧を創ったと推察できます。一方、フィンランド側は、未来の鍵となる解決策を描き出し、それによってめざすべきビジョンが実現化されます。製品づくりに関わる業界の展望についての表現はファジーであり、発展の可能性については、狭い範囲の見通しを立てています。」とアホラは評しています。  

 「例えば、日本では、健康管理分野については、広く人々の健康に関して検討したのに対し、フィンランドでは、看護士制度と、関連する財政問題について検討されました。エネルギーと資源利用の効率化については、日本では、特に再利用に関する問題が検討されたのに対し、フィンランドでは、社会が取り組まねばならない問題として確認されました。」とシュルヤネン氏は指摘しています。

 一方、NISTEPの伊藤氏は、「日本側では、社会的な観点からの解決策を導き出すことよりも、未来の技術や製品を具体化することに集中したようですが、フィンランド側はそうではなかったようです。この傾向の違いは、デルファイ調査(どちらかというと技術的な観点の強いツール)の利用方法のちがいに起因するものと思われます。つまり、日本側は、デルファイ調査の結果を社会の未来像を含む最終的な展望を作り出すために利用し、フィンランド側は、調査結果を、最終展望または、検討段階でわずかに利用しただけなのではないだろうか。」と推測しています。

 このプロジェクトは、2007年〜2008年にかけてTekesの戦略重点分野の検討と並行して行われたため、プロジェクトの成果は、同時にTekesの重点分野にも反映されています。

 「未来予測の共同プロジェクトは、私どもが世界の一部であることに気付かせてくれます。描き出される未来像と実動環境(実働)の変化については、共同で検討することができますが、それぞれの国と主体者は、自国に適した結論を導き出さなければなりません。」とアホラとシュルヤネン氏は、この共同作業について総括しました。

<詳細問合先>
Eija Ahola, Research Manager
Tekes
tel. +358 10 60 55806
eija.ahola (at) tekes.fi

Mikko Syrjänen, Business Director
Gaia Consulting Oy
tel. +35 50 302 8148
mikko.syrjanen (at) gaia.fi

<関連資料> (すべて英語)
Foresight for Our Future Society - Cooperative project between NISTEP (Japan) and Tekes (Finland) 242/2008 全66ページ

Social challenges as the basis for foresight - Cooperative project between NISTEP (Japan) and Tekes (Finland) 227/2008 全134ページ